新生児なのに2歳? 国によって異なる年齢の数え方

「数え年」という言葉を聞いたことはありますか?

昔の人は「数え(年)で何歳」とか「満(年齢)で何歳」と表現していました。 今でも、近所の90歳を過ぎたおばあちゃんに「数えで何歳?」と聞かれたことがあるという方もおいでなのではないでしょうか?

   

数え年が今でも使われている国

 

この「数え年」、日本では「年齢のとなえ方に関する法律」が1950年に施行されてから満年齢での数え方が義務化され、数え年での表記や表現は消えていきましたが、現在でも一般的に使われている国があります。

 

それがお隣の韓国です。

 

数え年の年齢の計算方法

   

この「数え年」の数え方、結構複雑です。

日本での年齢の数え方である「満年齢」は、生まれた日から次の誕生日の前までは0歳。そして誕生日を迎えるたびに1歳ずつ歳をとるというものですよね。

 

ところが、「数え年」というのは、生まれたその日にはすでに「1歳」となります。そして、大晦日が過ぎ、お正月になるとそこでみんなが1つ歳をとるということになるのです。

ですから、例えば12月31日の大晦日生まれた赤ちゃんはその日に1歳、そして翌日年が明けると同時に2歳となるわけです。生後2日の赤ちゃんが「2歳」とはびっくりですよね。

 

日本で数え年が廃止された理由

   

日本でも戦前・戦中に生まれた方には馴染みのある数え方ですし、中国やベトナムで等のアジア諸国でもお正月を基準とした「数え年」が使われていました。 日本で、前述の「年齢のとなえ方に関する法律」が施行されるにあたって

 
  • 「若返る」ことで日本人の気持ちを明るくさせる効果
  • 正確な出生届の促進
  • 国際性向上
  • 配給における不合理の解消
  •  

    という理由が挙げられています。

     

    戦後5年の復興期、納得の理由です。また、当時は出生届も結構いい加減で、誕生日が数週間や数か月ずれた日付を提出するというのも珍しいことではなかったようです。なかには生まれてから1年、2年経ってからの提出もありました。

    さらに当時は配給制度が残っていましたが、その際に配給される物資は満年齢を基準にしたものだったので、生後間もない赤ちゃんを2歳と申請してまだ食べられないキャラメルが配給されたり、満年齢で50歳台なのに、申請した60歳代の栄養計算に基づいた量で50歳代のものよりも少ない量の物資が配給されたりという不合理があったというのが「数え年」を廃止した一番の理由のようです。

     

    韓国の年齢の数え方は1種類じゃない?

     

    日本では、実年齢とずれてしまうという理由で廃止された数え年。お隣の韓国ではそのような不合理はないのでしょうか?

     

    「数え年」だとやはり不都合なことはあります。 ですから、韓国でも公的な文書には「満年齢」で記載されます。

    また、「兵役法」や「青少年保護法」では「年年齢」というものも使われているそうです。これは、現在の年度から出生年度を引いたもの。 このように、韓国では使われる場面に応じて異なる年齢の表記をするのだそうです。

     

    韓国ではあなたは何歳?

       

    さて、年齢の表記が場面に応じて変わる韓国ですが、一般的に使われるのは「数え年」。

    「じゃあ、私は韓国では何歳ということになるの?」 という疑問が生じた方もいるのではないでしょうか?

     

    簡単な計算方法は以下の通りです。すでに誕生日を迎えているか否かで違ってきます。

     
    • 今年、まだ誕生日を迎えていない → +2歳
    • 今年、すでに誕生日を迎えた → +1歳
     

    ですから、例えば今20歳で、誕生日がまだ来ていないという人は、韓国では22歳ということになります。

     

    韓国人に年齢を聞かれたら?

       

    韓国では年齢が上の人には敬語を使い、また年齢に応じて呼び方も変わります。ですから、初対面の人には年齢を尋ね、どのような言葉遣いをしたらよいかを判断します。

    韓国人に年齢を聞かれたら、上にご紹介した方法は簡単な計算とは言え、慣れていないとすぐには答えられそうにありません。 そんなときは自分の生まれた年を伝えましょう。 これが一番シンプルですし、韓国の方は年齢での序列が日本以上に厳格なので、年齢計算には長けているそうです。

    とは言え、若い方にサバを読みたい人にとっては、満年齢よりも常に1~2歳上の年齢となると、ちょっと納得できないかもしれませんね。

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